前回のあらすじ
フレンチのカリスマシェフだったが自身の店で大事件を起こしてしまい「日本の恥」と言われた尾花夏樹(木村拓哉)。
パリで3つ星レストランを目標にしていた早見(鈴木京香)と尾花が出会い、東京で3つ星レストランを目指す。
そこに昔の尾花のパートナーだった京野(沢村一樹)と再会。
早見の説得が功を奏し京野も仲間に加わり、お店作りへと歩を進めたのだった。
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「有名な料理人の名前」が必要
ストーリーは昔の回想から始まる。
尾花の店で茄子を使った新しいメニューの考案を任されていた相沢(及川光博)が、料理の出来に対して尾花から怒鳴られるというシーン。
ーそこで目が覚めた相沢。
料理教室のレシピ作り中に眠ってしまっていたようだ。
早見の家。
資金繰りに苦戦していた尾花たち。
どこの銀行からも融資を断られていたのだが、理由としては「有名な料理人の名前が欲しい」という事であった。
尾花の名前は出せるはずもなく、早見も有名なシェフではない。
自分が有名なシェフでないことに若干のショックを受ける早見。
そこで別の有名シェフを探そうと京野が提案する。
日本の味
行った先は元同僚の相沢だった。
相沢は材料の組み合わせ方が上手で、それを期待していた尾花と京野。
レシピ本の貴公子として有名人になっていた相沢のサイン会を訪れた一行は再度相沢を勧誘する。
速攻で断られるも、相沢の娘に料理を作ることを口実に相沢の家まで押しかけたのだった。
夜、相沢の事情を聞く京野と早見。
尾花の店での事件後、相沢は離婚し一人娘の育児に追われていた。
毎日の送り迎えがある事から尾花の新しい店を助けることはできない。
それでも食い下がる京野と早見に尾花はある提案をする。
日本人の舌に合う味
尾花の提案とは「相沢の料理教室でアシスタントとして働かせてほしい」と言うものだった。
翌日、相沢と料理教室に立つ尾花。
勝手に高級食材を持ち込む尾花に相沢は疲弊するのだが、生徒が差し入れたワインを見て尾花が相沢に料理対決を申し込む。
自信満々の尾花だったが結果は惨敗。
生徒に理由を聞くと、「日本人の舌に合ってる、材料の組み合わせが面白い」という事だった。
本場フランスで学んだフレンチの味付けより日本人のあった味付けの方が客に受けると気づいた尾花は相沢の家に泊まり込み味の研究をする。
その頃、相変わらず資金繰りに頭を抱える早見と京野。
実はレストラン経営の融資で頼れる銀行員を1人知っていると話す京野。
なぜその銀行員に話をしないのか早見が問うと、それはその銀行員・汐瀬(春風亭昇太)が「gaku」への融資をしていたからだった。
※「gaku」は以前京野が働いていたミシュランの星を獲得している本格フレンチの店。
料理長は尾花の昔の仲間・丹後(尾上菊之助)が任されている。
銀行員・汐瀬
京野は「gaku」へ訪れ、料理長の丹後とオーナーに新しい店の融資に銀行員・汐瀬の協力をお願いしようとしている旨を伝える。
勝手に店を辞めて、取引先の銀行までも横取りしようとする京野に許可はおりないと思った京野だったが、意外にもあっさり許可する2人。
京野は意外な反応に驚いていた。
しかしオーナーと丹後の顔は怒りに満ちていた。
後日、銀行員・汐瀬が店の内覧に来ると「原価率を落とせば融資が可能」と告げられる。
しかし尾花はフランスから取り寄せた高級素材を使うことに強い拘りを持っており、京野と早見の説得もまるで聞き入れないのだった。
日本人の舌に合う味を研究する為、昔の仲間・平古(玉森裕太)が働くホテルのビュッフェを食べに行った一行。
そこで平古が担当したローストビーフのグレイビーソースや他の料理に物申す尾花だったが、尾花を毛嫌いする平古は尾花の発言をあしらう。
そして尾花が帰宅すると、早急にグレイビーソースを作り始めた。
パリでは使ったことのない醤油や味噌を組み合わせ徹夜で作りあげ、そしてそれを平古に届けるよう相沢に託したのだった。
しかし平古はグレイビーソースを受け取るも、味見もせずにそのままゴミ箱へ捨ててしまった。
融資を断られた理由
融資を断る。
後日銀行員・汐瀬が早見の自宅に来訪すると突然そう言い出した。
驚いた早見と京野が理由を聞くと
「尾花夏樹の関わる店に融資はできない」
と汐瀬は言った。
実は先日汐瀬が「gaku」を訪れた際に、オーナーから「京野が始めようとしている店に尾花夏樹が関わっている」と告げ口をされていたのだった。
京野・早見と汐瀬のやり取りを後ろで聞いていた尾花が、汐瀬に「うちの店で出す料理を食べて欲しい」とお願いする。
茄子を使った料理
婚約者である彼女とその父親との会食に来ていた平古。
政治家である彼女の父親は平古の過去を調べており、「尾花のアレルギー食材混入事件」のことも知っていた。
事件との関わりはないと言う平古に「困った事があればなんでも言ってくれ」という父親。
そして平古は何かを考えた表情を浮かべる。
早見の自宅。
尾花が原因で融資が得られず完全に手詰まりとなっていた。
尾花が早見の自宅を抵当に入れることを提案したのだが、早見は「この家だけは絶対に譲れない」と断る。
すると京野の携帯に汐瀬からの着信が。
なんと汐瀬は「店の料理を食べさせて欲しい」と言ったのだった。
最新のキッチンを持つ相沢宅にまたも押しかけた尾花達は早速メニュー作りに取り掛かる。
高級食材を使わないように念押しする早見だったが、尾花はすでに使う食材を決めていた。
それは”茄子”。
昔のことを思い出し複雑な表情になる相沢。
メニュー作りは順調、、、のように見えたが尾花達は行き詰まってしまう。
食材の組み合わせが上手い相沢に尾花がアドバイスを求めると、相沢は少し考えた後チョコレートを入れるのはどうかと言った。
その一言であることに気がついた尾花はまた動きだした。
そしてメニューは完成する。
試食会
汐瀬の試食会当日の朝。
急ぐ尾花に早見が朝食を作る。
早見の母親直伝の丼ご飯や漬物の美味しさに尾花が驚くと、早見は語り始めた。
ー自分は愛人の子だという事。
ーこの家は愛人から与えられた家であり、母は愛人が来るのを待つ情けない人生を送ったという事。
ーでも愛人の為に母は料理を作り、筋の通った人生をすごいと思うようになったという事。
早見の家の秘密を知った尾花だった。
いよいよ試食会が始まった。
京野から連絡をもらった相沢も様子を見に来ていた。
料理を一口食べると、汐瀬の表情が変わる。
こんなものは食べたことが無いという汐瀬に料理の説明をする。
しかし料理が美味しいからと言って融資を出すことはできないという汐瀬。
私が信用するのは数字、味はなんの担保にもならないと言う汐瀬に早見と尾花が答える。
それは高級食材の使用をやめることにし、国産の食材を使うことにしたと言うこと。
その代わりに食材の組み合わせと手間をかける事で勝負すると言うこと。
だがこのクオリティの料理を作る手間や人件費を考えるとやはり融資は出せないと言う汐瀬。
何も答えられない尾花と京野だったが早見は何かカバンから取り出す。
それは自宅の権利証だった。
自分の家と土地を担保にすると言いだした早見に京野は驚き、汐瀬も説得をする。
しかし早見は「この1皿にはそれだけの価値がある」と言い放った。
後ろで聞いていた尾花が早見を静かに見つめる。
それを聞いた汐瀬は書類を取り出す。
実は早見の自宅をすでに調べていた汐瀬。見積もりは4500万の価値で、必要な融資5000万には500万円足りない。
それを聞いて怒った尾花だったが、尾花と早見の料理に感動した汐瀬は融資を許可したのだった。
試食会-本当の理由-
相沢のお迎えの時間を狙って保育園で待ち伏せしていた尾花。
相沢が来ると、尾花に「茄子を選んだのは昔のことをおぼえていたからだろう?」と昔尾花に茄子の新メニューで怒られた件を持ち出す。
しかし尾花は答えず、代わりに相沢のアドバイスにお礼を言ったのだった。
いよいよ物件を手にした尾花達。
工事をしながら早見は”なぜ汐瀬が試食会に来てくれたのか”を京野に問いかける。
京野は「本店の融資部から”料理を食べてから融資をするか決めるように”と言われたらしい」と答えた。
だがなぜ銀行の本店の人がそのことを知っていたのか・・・
実は平古がグランメゾン東京に融資が降りるよう、政治家である婚約者の父親に働きかけたのだ。
捨てられたと思っていたグレイビーソースも実は捨てておらずビュッフェに使われる事となった。
尾花のグレイビーソースの味見をする平古にわずかな笑みが溢れていた。
「gaku」にて。
汐瀬の結婚記念日の予約がキャンセルされたとオーナーから丹後に伝えられる。
代わりの店は「グランメゾン東京」と聞かされた丹後は怒りの表情に満ち溢れる。
そして「グランメゾン東京」の工事は順調に進んでいく。
グランメゾン東京 感想
展開が早い回で情報も多かったのですが、場面展開もリズミカルであっという間の1時間でした。
自分の価値観を曲げない尾花が自分の答えを探すために自ら相沢に勝負を挑み、負けて、自分の価値観を変えていくのは新しいなと思います。
主人公の価値観が正しくて周りの考え方や行動を変えるのがドラマにありがちだと思っていたので、偉そうに本場の味にこだわる尾花が日本の調味料で味を追求する姿はとても印象的でした。
日本でトップになるなら日本人に愛される食事を作らないといけない。
料理に詳しく無い(と言うか興味無い)汐瀬を笑顔にした尾花の料理はこれからどのように進化していくのでしょうか。
次回も楽しみです。