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元添乗員が体験した添乗員業界のブラックな裏側6つ

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添乗員の仕事はお客様を安全に観光地へとご案内し、予定通りに問題なく旅程を遂行させる裏方のお仕事です。

添乗の仕事について友人や知人に話す機会はたくさんあったのですが、その際にみんな口を揃えて言うのが

「タダで旅行できていいなー」

という反応がとにかく多かったのを覚えています。

私も添乗員の仕事をする前はそう思ってました。
しかし実際に業務を始めて感じたことは

旅行業界は基本的に超ブラック

ということ。

タダで高いホテルにも泊まったり高いコース料理を食べたりいい一面ももちろんありましたが、こんなにしんどい仕事って他にあるのか?と思うほど大変でした。

私が入社した時には同期は20名ほどいましたが、2年目になる時には半分以下の6名くらいしか残っていませんでした。

きっと本記事にたどり着いた方は

  • 添乗員の仕事に興味がある!
  • でもどんなことが大変なのか知っておきたい

といった疑問や不安がある方なのではないでしょうか。

そこで今回は

添乗員の仕事のブラックな部分

をまとめて見ました。

※あくまで私の経験に基づいてまとめた内容となっております。
会社によって方針やルールが違いますので、全ての添乗員の会社が同じというわけではありません。



この記事を買いてる人

添乗員の会社に3年ほど勤務。現在フリー添乗員として気ままに活動中。
国内はもちろん海外は10カ国ほど添乗経験あり。

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①基本的に絶対休めない

添乗員の仕事内容の記事でも書きましたが、
急に体調不良になっても当日休むことは絶対にできません。

その理由としては

添乗に必要な貴重品は担当の添乗員しか持たされないから

という事です。

添乗員の仕事にはまず打ち合わせという業務があるのですが、その中でも

  1. JRチケット、航空券の受け取り
  2. お客様名簿の受け取り
  3. 携行金の受け取り

という貴重品類の受け取りがあります。

この3点は実際にツアーに行く添乗員にしか渡されないわけですから、仮にツアー当日になって体調が悪くなっても代わりの添乗員にお願いする事ができません。

なので、仕事を受けた時点で

這ってでも仕事に行くしかない

という事です。

ちなみに、直前の仕事で指を骨折したのに関わらず休ませてもらえなかった先輩がいらっしゃいました。

ガチガチにテーピングしながら打ち合わせをしていた姿は今でも忘れられません。

休むことができないなんて鬼か!と思うかもしれませんが、体調管理も仕事になります。
少しでも体調が悪くなった時はすぐに総合風邪薬を飲んでとにかく体調管理には気を使っていました。

小麦

インフルエンザとか手術が必要なレベルの大病だと流石に休職になりました。
会社の目が冷たいけど・・・

私がとにかく気をつけていたこと

・風邪薬を常備して少しでも体調が悪くなったらすぐ飲む
・冬の時期はR-1を毎日飲む
・どんなに忙しくても睡眠は6時間取る

おかげでめちゃくちゃタフな体になったのでそうゆう意味ではよかったのかなぁと思ったりしてます。

②仕事の確定が1週間前

私のいた会社は”アサイナー”という添乗員に仕事を振り分ける役職があり、私たち添乗員はそのアサイナーからのメールのやり取りで仕事を受けておりました。

その仕事のメールが送られてくるのが

基本的に1週間前

というのが常でした。

希望休は閑散期であれば取ることができるのでプライベートな計画を立てる事はできましたが、行き先がわからないと勉強もロクにできず仕事確定後に慌てて資料をかき集めることが常でした。

海外添乗ならある程度前もって知らせてもらえますが、それでも2週間前なので勉強が到底追い付かず、先輩にメールで観光ポイントを教えてもらいながらなんとかこなしていました。

小麦

友人との遊ぶ約束が何ヶ月もできず、スケジュールを合わせることが大変でした。



③盆正月は基本休めない

旅行業なので当たり前といえば当たり前ですが、世間一般が当たり前に休んでる時に仕事をするのは当時かなり辛かったです。

12/31の大晦日に帰宅して翌日は初詣のツアーで朝4時起き、もしくは年越しツアー2泊なんていう仕事もありました。

繁忙期は添乗が毎日続くので、世間がお休みモードの時はとにかくバタバタしていた記憶があります。

小麦

クリスマスツアーはカップルの参加が特に多く、イルミネーションのツアーではかなり寂しい気持ちになったのを覚えています。笑

④拘束時間が長い

ツアーの集合時間は7時〜8時になる事が多いので、添乗員は更に早めに行って準備をしないといけません。

お客様の乗車場所、電車への導線、バスの配車位置、運転手さんとの打ち合わせなどの確認作業が多くあるからです。

どんなに自宅から近い集合場所でも5時か5時半には起きる必要があり、もちろん毎回の添乗が自宅から近い出発地ではありませんので、4時起き3時起きは普通です。

そしてツアーによっては交通渋滞が原因で帰着が深夜になることもあります。

特に連休最終日の場合は交通状況で大幅な遅れもあるので、終電間近に帰着することもよくありました。

繁忙期だとその状態が毎日続くので、万が一終電で帰れなかったことを考えて次の添乗で使う書類も一緒に持っていってました。

小麦

繁忙期は渋滞の影響で終電を逃しカプセルホテルに泊まることもありました。

⑤お客様から理不尽なクレームをもらう

この辺りは普通のお仕事とそんなに変わらないかと思いますが、1つ違うのはお客様のクレームが全部自分に集中放火されるということ。

桜のツアーなのに桜が咲いていない・・・
富士山の周辺を回すツアーなのに天候が悪くて富士山が見えない・・・

自分が悪いわけではないのにどうしようもない内容のクレームに耐えられず、それが原因で辞めてった添乗員さんはかなり多いのではないかと思います。

小麦

お客様も添乗員が原因なんて思っていませんが、こちらはしっかり受け止めて謝罪します。

クレームとの向き合い方

・お客様の主張にしっかり耳を傾ける事
・とにかく誠心誠意謝る

これだけでかなりお客様のクールダウンは早くなります。

添乗の仕事のお陰で不利な状況でも落ち着いて乗り越えるスキルが身についた気がします。
機転や閃きは添乗の現場で何より必要でしたから。

⑥社会保険がない

時期によって仕事量が変動する仕事なので社会保険に入ることができません。
最近は割と加入できる会社が増えてるそうですが、今でも入れない会社は多いです。

そうすると国民保険の加入が必要なので、下手したら普通のアルバイトの方が条件が良いんですよね。

小麦

世の中の全ての添乗員が社会保険に入れる未来が来ることを祈ってます!

まとめ:添乗員のブラックな裏側6つ

というわけで添乗員のブラックな一面をまとめてみました。

  1. 体調管理も仕事のうち
  2. スケジュールの確定が遅い
  3. 世間の特別連休に振り回される
  4. 朝は早いし夜は遅い
  5. 理不尽なクレーム多い
  6. 社会保険のある会社を選ぼう

楽しくてやりがいは十分あるのですが、しんどいこともたくさんあります。
ただ1つ言えるのが

お給料以上の経験と出会いがある仕事

ということです。

接客を学びながらハプニングにも臨機応変に対応し、各関係機関と旅行会社の橋渡しをしつつコミュニケーションスキルを上げていく。

そして徐々添乗員としてランクアップしお客様から指名をいただくようになり、やりたい仕事だけ選べるようになる。

なかなかこのようなことを経験できる仕事はないのではないでしょうか。
接客と営業とタイムマネジメントをしながら無料で旅ができるわけですから。

だから添乗員の仕事が好きでしたし、またいつか戻りたいなと思っています。

添乗員の仕事に興味のある方に少しでも参考になっていただけたら嬉しいです。

小麦

添乗員として頑張ってる方や志す方を全力で応援しています!

それでは最後までご覧いただきありがとうございました。
また次回!

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